睡眠トラブルに悩む人が増加


昨年12月に厚労省が「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。この中で、睡眠についての調査項目がある(※図表1)。それによると、眠るために睡眠薬や安定剤などの薬、お酒を使うことがある者の割合は約2割。年齢とともにその傾向は高まり、70歳以上の女性では3割以上にも達する。
睡眠で十分休養がとれている者の状況は、若いほど高く、20代から40代では約3割。3人に1人しか満足な睡眠が取れていない結果となっている。働き盛り人々の貴重な疲労回復行為にしては、もう少しあってもいいような数字である。
また、ストレスの状況については「大いにある」「多少ある」と回答したものが男女とも20~40代で7割を超える数字だった。いかに社会にストレスが蔓延しているかを表す結果といえる。
1日の平均睡眠時間

どこに基準を置くかでこれら結果の良し悪しの判断は変わってくるが、睡眠確保のために睡眠補助品やアルコールを使うことのある人の割合については「健康日本21」が「13%」という数値目標を掲げている。
それをもとに考察すれば、ストレスなどのさまざまな要因で特に働き盛りの社会人を中心に、多くの人々が何らかの睡眠トラブルを抱えている状況といえる。 少しでもよく眠るために何をすべきか。
調査では2割以上が薬や酒に頼る傾向があるが、これは正しい解決策とはいえない。なぜなら、薬には当然副作用があり、お酒も常習化すれば、体を壊しかねないからである。「ストレスをためないようにする」といっても、言うは易しで現実的には困難。なによりそれができれば、何かに頼る必要などない。
安眠クッズ調査開始

今回調査に当たったアラフォー世代の調査隊員・キヨミは、最近、上司のいじめ?でストレスが増大。知らぬ間にバカ食いへと走り、5キロ激太りした。寝つきも悪く、夢の中でも叱れているのか寝言は「スイマセン」を連発。オフィスではあくびを連発している。

オンナ空手家(茶帯)でもあるキヨミはそう力強く宣言し、作業中の仕事のことなど忘れ調査に突入した。
主な快適睡眠商材市場のカテゴリー
悩みを抱える人が多いだけに安眠商材市場はなかなかのぎわい。いろいろなカテゴリーがある。
枕やマットなどの寝具系、深い睡眠をサポートする、寝つきをよくする等のサプリメント、寝る前の気分をリラックスさせるアロマやヒーリング音楽、深い睡眠を妨げる呼吸障害緩和グッズ…など、安らかな眠りをサポートする商材の方は、頼もしいほど充実している。




インターネットで人気の安眠クッズ

「ネットの関連のランキングではグッズ系では季節柄もあるのでしょうが、いまは湯たんぽが上位にランクインしています。あとはマットレス、家庭用電位治療器、睡眠サイクルを計算して快適な目覚めをサポートする時計、というのもありました。
サプリメントでは、脳内をリラックスさせる成分などが含有されたサプリが上位に顔を出しています」。
熟睡できない日々が続くキヨミは、すでに枕やマットレスなどをいろいろ試し硬さや形状などは好き嫌いや合う合わないがあり

との結論を導き出している。音楽や香り系のもの試しているが、眠るまでの気分はよくても夢の中に鬼の上司が出てくることは変わらない。
熟睡サプリメントにはリラックスさせる成分などが含有

そこで、今回は未知の領域となるサプリメントの調査を重点実行。眠る前に飲むことを考慮し、ポイントを味に置き、いくつかの商材を試した。
各社から様々な商品が出ているが、どれもおいしく、睡眠のことは抜きにして普通に毎日飲みたくなった。
成分別に見れば、ミルクペプチドやギャバは精神をリラックスさせ、寝つきをよくしてくれるという。グリシンは深部体温を下げ睡眠リズムを整え、深い眠りへ導くことで目覚めをよくするという。

そのほかにもハーブ系のサプリメント、ホスファチジルセリン(PS)含有サプリメントなどが“熟睡サプリメント”として各社から発売されている。
これらはいわゆる安眠グッズのように体形や合う合わないなどによる“個人差”が特になく「普通に続けられることを重視し、シンプルに値段や味で決めるのがいい」と判断した。



調査の締めくくりとしてキヨミは、安眠成分として注目されるグリシンにミルクペプチドの一種、デカペプチドを含有する「ラクトスリーミン デカペプチド+グリシン」を販売するファルマボタニカの担当者にも話をうかがってみた。
「当社の製品に含まれるデカペプチドは、ミルクを飲んだ後の赤ちゃんが穏やかな状態で安らかな寝顔を示すことをもとに研究が始まった物質です。
ミルク由来の抗ストレス素材として期待されており、欧米ではリラクセーションや睡眠を補助する食品にも用いられています。

製品1包には、ミルク1.5t分に相当するデカペプチドに加え、グリシンを3000mg配合しました。味は飲みやすいレモンティー味で、虫歯にならないゼロカロリー甘味料を使用しています。」

担当者の説明に深くうなずいたキヨミは、安眠サプリメントの可能性を大いに感じ取った。当面お世話になる安眠サプリも決まった。